短絡的な発想にはうんざりする




この画像を見る限り、やはり日本人はズレているとしか言いようがない。

今回の悲劇的な(敢えて言うなら想定内の)事態を受けて、「日本政府
は法改正によって自衛隊の海外派遣を進めようとしている」→「アメリカ
と一緒になって戦争をするのではないか?」という、まるで某国共産党
の片棒を担ぐような理論(かく言う某国は、尖閣の目と鼻の先で新しい
軍事基地を建設中である)で「戦争反対」を唱えているのだろう。

問題はそれほど単純な話ではない。こうしている間にも、在外邦人は危
険に晒されているのであり(だから自衛隊を出せ、と言っている訳では
ない。それもまた、極めて短絡的な発想だ)、もっと大局的見地から冷静
に現状分析が出来ないのか、と残念でならない。

各国や国連がISISを非難したとしても、その文言どおりに理解する必要
はない。そもそもISISの台頭を許し、あまつさえ利用してきたのは国連
であり「有志連合」なのではないか?その矛先が自分達に向けられたか
らと言って、今更抑え込もうとしても、そうは問屋が卸さない。

テレビにしても、同じ報道の繰り返し。「日本国がテロの標的に!」、「イス
ラム国の脅威にどう対応するか?」、「身代金要求から殺害に至るまでの
動画の構成が違っている」云々。なぜ、もっと本質を掘り下げた報道が出
来ないのだろう?日本のマスコミはそこまでアメリカに遠慮しているのか?
元々、現状に対する基本的知識も無いのか?・・・本当につまらない。

今回の交渉経緯については、「どうしてトルコ経由でなく、ヨルダンなのだ
ろう?」と疑問に思っていたが、ヨルダンパイロットの話が出てきて、よう
やく「なるほど」と理解ができた。去年の内から既に、女死刑囚とパイロッ
トについて、何らかの交渉がヨルダンとISISの間で行われており(その真
の目的はわからないが・・・本気でオバチャンを取り返したいと思っている
のだろうか?・・・まあ普通に考えたら、ヨルダンの 「有志連合」 からの離
脱かな?)、そんな時期にノンキな安倍ちゃんが中東に行き、イスラエル
なんぞで「イスラム国と戦う周辺諸国に2億ドル支援」などと宣言したもの
だから、ISISにこれ幸いと付け込まれてしまったのだ。
ISISにすれば、「進展しないヨルダンとの交渉が、一挙に解決するかもし
れない」くらいのもので、副産物としての効果(恐怖の拡散、プロパガンダ)
は種々あるだろうが、日本との交渉など本当はどうでもよい。そんなISIS
の作戦に翻弄されて、困った日本政府はヨルダン頼みをするしかなかった
のだ。恐らく、利用価値の乏しい湯川氏は早々に殺害されていたと思われ
るし、パイロットの生存も甚だ疑わしい。

ここでやはり、「どうしてトルコに仲介を頼まなかったのか?」という問いが
浮かぶ。トルコとISISは同じスンニ派で、ISIS産の石油を購入(イラク経
由で密輸)するほど実は「なあなあの関係」なので、頼めば何とかなったか
もしれない(もちろん、身代金は必要だろう。トルコも巨額の身代金を支払
って、自国の外交官らを救出した・・・と言われている)。
多分、色々なルートは探っていたのだろうが(と信じたい)、「巻き込まれた
くないトルコに、断られたのかな?」とも思われるし、アメリカから横槍が入
ったのかもしれない。そこは何ともわからないが、私が懸念するのは今後
のヨルダン政府との関係ではなく、親日国トルコとの関係だ。

そんなこんなも今後検証がなされるだろうが、事の全貌が明るみに出るは
ずも無いから、「相変わらず日本は外交オンチだ」という結果で終わる。

閑話休題。要するに、話はそう単純なものではないのだ。首相官邸前に陣
取って、プラカードを掲げてどうにかなるようなレベルでは・・・全ては2003
年のイラク戦争に始まっていることを思えば・・・全くない。
暴走してしまった狂信的イスラム教徒をどうするか?・・・途方もなく難しい。

次回はその辺りを、サウジアラビア新政権の話題から。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック