シリア情勢とパリ同時多発テロ




どうにも不可解である。

アメリカは、「ロシアはイスラム国(IS)ではなく、反アサド政権軍を空爆
している」として、ロシアを非難していたが、もし、これが真実であれば、
ISがロシアを敵視するはずは無い。

ところが、先日のロシア旅客機撃墜により、情勢は一変してしまった。
ISが 「シリアにおけるISを空爆している、ロシアに対する報復である」と
の犯行声明を行ったからだ。

本当のところ、ロシアが空爆していたのはISだったのか?反アサド政権
軍だったのか?・・・ISの声明には、「シリアに手を出したロシアが悪い」
というような文言があったということで、要するに、「アサド政権を後押し
するロシアの、領土的野心もけしからん」ということなのだろう。ISから見
ればロシアもやはり、「十字軍の一員」なのだ。

この事態を受けて一番当惑したのは、当のロシアであったと思われる。
旅客機墜落における、ISの関与をなかなか認めようとしなかったプーチ
ン大統領も、事ここに至って流石に放置もできず、現在は(反アサド政権
軍にではなく?) ISに対する空爆を盛んに行っている。

ISはロシアをわざわざ敵に回してしまった。その結果、米露が接近すると
いう構図が生まれるのだが、シリアの政治形態に関しては、両国は相変
わらず反目したままである。
アメリカはまた、「イランはシリア危機の解決策の一部」 として、イランと
の関係改善を進めるなど、いよいよ怪しげな状況が進展中である。

そんな中で起きた、パリ同時多発テロ事件。
フランス国民の脳裏には、かつて、ナチスドイツに敢然と立ち向かった
記憶が蘇っていることだろう。フランス人を決して侮ってはいけない。
彼らは自由と独立のためなら、血を流すことを恐れない。
それは、フランス国歌 「ラ・マルセイエーズ」の歌詞を見ればわかる。
何物をも恐れず、テロ現場に集い国家を詠唱する彼らの映像を見るに
つけ、感動を覚えずにはいられない。
犠牲になられた皆さんのご冥福を、心から祈念しつつ。


「ラ・マルセイエーズ」 (1番、3番、7番)

行こう 祖国の子らよ
栄光の日が来た!
我らに向かって 暴君の
血まみれの旗が 掲げられた
血まみれの旗が 掲げられた
聞こえるか 戦場の
残忍な敵兵の咆哮を?
奴らは我らの元に来て
我らの子と妻の 喉を掻き切る!

武器を取れ 市民らよ
隊列を組め
進もう 進もう!
汚れた血が
我らの畑の畝を満たすまで!

何と! 外国の軍勢が
我らの故郷に来て法を定めるだと!
何と! 金目当ての傭兵の集団が
我らの気高き戦士を打ち倒すだと!
我らの気高き戦士を打ち倒すだと!
おお神よ! 両手は鎖で縛られ
頚木をはめられた我らが頭を垂れる
下劣なる暴君どもが
我らの運命の支配者になるなどありえない!

僕らは自ら進み行く
先人の絶える時には
僕らは見つけるだろう 先人の亡骸と
彼らの美徳の跡を!
彼らの美徳の跡を!
生き長らえるよりは
先人と棺を共にすること欲する
僕らは気高い誇りを胸に
先人の仇を討つか 後を追って死ぬのみ!

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